御上先生の感想

日常の雑談
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2025年1月‐3月放送、TBS日曜劇場「御上先生」

このドラマ、最初の2回くらいを見て面白いなと思って毎週楽しみにして見ていた。
TBSさんが…そんな切り込めるんかい??と思いながら見ていた。

3回目くらいから徐々に「ん?」という感じがしていたのだけれど…。


すっごいぬるいドラマだった。


まぁ、もともとどういうテーマのドラマなのか知らずに見てしまったのだが…。
官僚が主人公ということでもっと政治に切り込むドラマだと思って期待していたら、ただの学園ドラマだった。

最初の殺人事件がもっと複雑に絡むと思ったらそうでもなかったし、一人一人のキャラの背景が結局最初の期待値と違って薄かった。
全10回で盛り込めないというのはわかるのだが、であれば最初からキャラや取り上げるテーマをもう少し絞ってもよかったのかも。

最後まで極悪人が少なすぎるのも気になった。
もっと人間は悪いですよ…?w


最終決戦は裏口入学の不正という感じだったが、筆者はそれが絶対に悪いことだとは思わない。

社会に出たらどうだろう。

縁故採用なんて当たり前のこで悪いことでも何でもない。
大企業に入社してくるどこぞのお坊ちゃまお嬢様なんてどれだけいることか。

彼らは実力がある人も多い。
そもそも親が優秀なので地頭の良さがある人も多いし、子どものころから教育の環境が整った中で育っているのでよく勉強もしている。

”どう考えてもこの仕事が向いていない人”もしばしば見受けられるが、正直傍から見ているとズルいという感覚はなく、かわいそうにも思う。

彼らはできない仕事、向いていない仕事をやるしかなく、辞めることもできない。


それでも、その人が入社して在籍していることには大変な価値があるのである。


一般社員が成果を上げて稼いできて出世して、とやっていることと、
その人が在籍していることは同じくらい、もしくはそれ以上の価値をもたらすのである。


社会とはそういうものだと筆者は思っている。

もちろんどこまでは許されてどこからが行き過ぎなのかは難しい問題だけれど。


話をドラマに戻すが、
松坂桃李が主演ということで、もっと狂った松坂桃李を期待していたけれど、すぐにいい人みたいになっちゃったね。

松坂桃李は日本の一番長い日という映画でファンになった。
クーデターを企てる青年将校役で、その思い込んで突っ走る様はものすごい気迫を感じた。

松坂桃李にはまたそういう血管ピキピキきている狂気の役やってほしいなぁ…。


主人公の御上先生の兄はどういう過去があるのかという展開にも期待していたが…
筆者が期待していたのは三島由紀夫みたいな感じだったのだが、まったく違った。

正直、あの理由で自死という設定には腹が立った。

こんなものを子どもに見せるなよ。

命をなんだと思ってんだ。

※三島由紀夫のようならいいとも思っていない


軽く扱いすぎであり、許されざることを、このくらいで追い詰められて落ち込んでしまうというのが可哀そうというような描き方が腹立たしい。

それであれば、それに打ち勝つ方法や回避する術の考え方をきちんと伝えてほしいと感じた。


最終回の中で新聞記者を目指す生徒に向かって裏口入学であった生徒が言った言葉。

「報道しないっていう選択肢あるの?」

ドラマの中では「ない」と回答していたが、
TBSさんはお得意技ではなかったでしたっけ?

全社員このシーンだけ見た方がいいのではないですか?

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