なんだかんだ忙しくしているうちに、11月の旅行記を3月に書くことになるとは。記憶もだんだん朧気になってきた。
最終日は出雲の旅行のメイン処、出雲大社へ。
”いずもたいしゃ”と読んでしまいそうになるが、正しくは”いずもおおやしろ”だそう。
出雲大社の御利益は、縁結び・病気平癒・商売繁盛など。
御祭神の大国主は、国土を開拓し国造りをおこなった。その後、天照大御神様に国譲りをなされ、目に見えない世界の幽事(かくりごと)・神事(かみごと)を治める神様となった。
「大社」とは近代まで出雲大社以外には存在せず、大社=出雲大社のことを指す言葉だったとか。
出雲大社は他の神社とは参拝ルールが異なったり、お社の造りが違うことは有名な話だろう。
この時はちょうど「神在月」ということで全国から神様が出雲大社へ大集結している週だった。
それなりに観光客が集まっていたが、京都とかと比べるとまだ快適に過ごせる込み具合に思えた。
鳥居を抜けて参道を進むと左手には、相撲の神様といわれている野見宿禰神社があった。
また、因幡の白兎伝説にちなんでが、参道では兎の石像がたくさんあった。
もう少し進むと、右手には出雲大社の前身となった場所であり出雲風土記にも記されている杵那築森(きなつきのもり)がある。
神々が集って大国主のお住まいを築かれた地とする場所である。
その先の銅鳥居をくぐるとまずは拝殿。ここで驚いた。
観光紹介などでよく見る大しめ縄。
あれ?思ったよりも小さい。
このくらいのもの??と拍子抜けしてしまった。
とはいえ、大きいことに変わりはない。
まずは参拝の御挨拶。
二礼四拍手一礼で参拝。やり方は社殿脇に書いてあるので、参拝客も迷わずに行えるだろう。
そして右手に進んでいくと次は東十九社。
全国から集まった神様の御寝所となる十九社の扉はこの時期だけ開いている。
ひとつづつ丁寧に参拝したいところだが、1か所に並んでそこに拝む形で誘導された。
まぁ、観光客全員が十九社全部に手を合わせていたら大変なことになるんだろうな…笑
一番奥は素鵞社(そがのやしろ)。
素戔嗚尊がご祭神となっている。
ここでは稲佐の浜の砂を奉納し、そこにある砂をいただいくということができるそう。
家の東西南北に砂を埋めて家を御守りいただいたり、肌守りにして持ち歩いたりということをするそうだ。
ここはなぜか人がめちゃくちゃ並んでいた。
筆者はここには並ばず遠くから拝ませていただいた。
そしてぐるりと西側に回ると西十九社。
また、出雲大社の御神体は西側を向いているので大国主命の正面から参拝はこちら側から。
西側を向いている理由は諸説あるが、筆者は海を向いている説と大社造りの男造・女造の説が一番しっくりくる。どちらかというと大社造り説が一番しっくりくるかな。
ぐるりと一周終わったところでふと右手を見ると神楽殿と書いてある。
おやっと思って行ってみると…
じゃーん。
あった、あった!
観光紹介で有名な大しめ縄!
これは大きい。相当な大きさだ。
観光客はみな下から写真を撮っていた。
そして参拝の締めくくりは島根県立古代出雲歴史博物館へ。
ここで驚いたのは、境内遺跡から発見された杉の大木3本を1組にした直径が約3mにもなる巨大な柱である。
まさに巨大な本殿が実在したといえる出土品だ。
自然遺跡や古い社があるその場所に実際にいくことが好きな筆者としては、博物館など現代の建物の中に綺麗に並べて展示されているものを見ることにはそんなに興味がなかったのだが、この博物館は行ってよかった。
他の展示なども出雲の歴史を知れる良い展示ばかりだったので、出雲大社に参拝される方はぜひ立ち寄ってほしいと思う。
出雲大社を後にしたら、神門通りで昼食とお土産のお買い物。
出雲そばはもう前日食べてしまったので、他のものが食べたい。
島根といえばやはりのどぐろというところか、のどぐろ丼がプッシュされていたので食べようと思ったら、一緒に旅行していた父は「そんなにお腹が空いていないから食べたくない。」とのこと。
さすがに連日の歩き疲れが出てしまった様子。
フラフラ歩いていると、サラダや甘味が食べられそうなカフェを発見したので、入店。
父はぜんざい、筆者はサラダと御飯が一つになったプレートを注文。
お店の名前は残念ながら失念してしまったが(調べても検索に全く引っかからない)、コーヒーも美味しい良いお店だった。
そのあとは、お土産に勾玉アクセサリーを購入。
飛行機の時間までまだ時間が余っていたので、ふらりと入った手ぬぐい屋さんで手ぬぐいを購入。
時間になり出雲縁結び空港までバスで向かって飛行機で羽田へ。
出雲縁結び空港は小じんまりした地方の空港だが、お土産が充実していてよかった。
バスの中から見えた素晴らしい田園風景。
出雲、そして島根の地は
古の人々の営みを感じられる素晴らしい場所だった。
なによりもここが古代から続く、稲作の、日本の始まりのような歴史を感じられた。
神話といわれているが、この時代から人々は土地を開拓し稲作をして国をつくり生きていたのだ。
そこにはそれぞれの国を治めていた神様というリーダーがいた。
様々な歴史が神話の中に隠されているのだ。
そんな歴史を感じられる素晴らしい場所だった。
一生に一度は訪れてみてはいかがだろうか。
島根旅行記(後編):出雲大社と素晴らしい田園風景

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