特定の支持政党をもたず、選挙のたびに投票先が揺れ動く有権者たちのことをスイング・ボーターというらしい。スウィングするボート=浮動層ということだそうだ。
アメリカの大統領選では、これらの浮動層がどちらに流れるかで勝敗が決まる。
NHKのニュースでたまたまその話をきいたのだが、
筆者がスイング・ボーターという概念について思ったのは”それって当たり前じゃね?”だった。
例えば今、自民党を支持している人だって自民党がこれから打ち出す政策や総裁が誰なのかによって投票時には気持ちが変わっていてもおかしくはない。
むしろ何も考えずに”私はこの政党を諸手を挙げて応援します!”というのは、おかしい。
それじゃ宗教系の政党だろう。
まぁ、アメリカは二大政党制だからどっちを支持するという基盤が固い人が多いのかもしれないが、取材を受けていたスイング・ボーターの方はとても当たり前のことをコメントしていた。
「私は一つのことで投票先を決めることはない。国とこどもたちのためを考えて決めることにしている。投票所に行くその時まで情報を集め続けて投票先を決めたい。」
そりゃそうだ。
自分たちの暮らしと未来がかかっているんだから。
ニュースの中ではアナウンサーがこう言っていた。
「僅かの差によって勝敗が決まるというのは、裏を返せば今のアメリカでそれだけ分断が深まっていることでもあります。」
いやいや、
いいことだよ。浮動層が勝敗を決めるっていうのは。
浮動層が頑張って投票に行っても結果が覆らないなんて状態は独裁国家だよ。
浮動層が少ないっていうのはそういうことだから。
東京都知事選なんてどんなに頑張っても誰かさんが圧勝するでしょ。
で、投票する気が失せたり、自分が選びたい人じゃなくて勝ちそうな人に投票する人が増える。
2位以下とどのくらい差があったと思う?
覆せやしない。
分断しているのではなくて、アメリカはまだどうにかできる希望があるってことだよ。
もう一人の取材を受けていたスイング・ボーターの方が言っていた。
「3億3,300万人もの国民がいるのになぜ(候補者が)この2人になったのか理解できない。」
どっちを選んでも地獄のアメリカも、
どれを選んでも地獄の日本も、
有権者の完全な戦意喪失を狙っているのかしらね。
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