ものごとは多角的視点が大事

政治

筆者が20代前半の頃にはすでに庶民でもハイブリット車に乗っており、燃費がとっても良くて静かで最新の良い車というイメージだった。

EUでは乗用車と小型商用車の二酸化炭素排出量について対2021年の100%削減を目標に掲げ、2035年に二酸化炭素を排出する乗用車と小型商用車を販売停止するとした。

電気自動車(EV)に世界中がシフトしていく中、日本でも2035年までに新車販売は電動車100%を実現するという目標を掲げ、東京都ではもっと早い2030年を目標としている。

いわゆるガソリン代と電気代、燃費/燃料消費率と電費/電力量消費率ではEVの方がお安く済むらしい。
電気自動車(EV)は補助金が出るし、お得で環境にも優しいイメージで購入を検討される人は増えているのではないだろうか。

ただ、まだまだ課題がありそうなのが現在。

自動車メーカーのボルボは2030年までに新車販売のすべてを電気自動車にするという目標を掲げていたが、2024年9月4日それを撤回し2040年へ目標延期を発表した。

充電インフラの整備が遅れていること
EVの需要が伸び悩んでいること
一部市場での政府補助金が打ち切りになっていること
北米や欧州における中国製EVへの関税の導入

上記などが理由とされている。
Volvoも「2030年完全EV化」撤回、中国製ストロングHEV導入は可能性低く:日経XTEC(2024年9月5日)


充電インフラの整備ができていないのは痛い。
車種にもよるが、一般的にはガソリン車と比較して航続可能距離が短い。要するに長距離が走れないというのが現状のEV車だ。
出先で急速充電を使うとしても30分で満タンにならないくらいの充電量。
そうなると、乗る方は「結局のところ不便でしょ?」というイメージを抱き、さらに普及は減速するだろう。


さらに電気自動車(EV)は本当に環境にいいのか?という論争もある。

電気自動車(EV)自体は確かに二酸化炭素を排出しない。
ただし、実は現状はEVとガソリン車を比較すると製造時に排出される二酸化炭素はEVの方が多いといわれている。
ガソリン車でもEVでも製造時に電気を使うが、その電力は火力発電所で作られる=間接的に二酸化炭素を排出しているのだ。

さらには、EVを動かすリチウムイオン電池はレアメタルが必要となり、資源の枯渇問題がある。


さらにさらに、リチウムイオン電池は5年ほどで寿命を迎えるが、リチウムイオン電池自体には土壌や水を汚染する物質が多く使われているためそのまま廃棄はできない。
電気自動車(EV)が大量・急速に普及しても電池を捨てる方法が確立されていない。

なんだか太陽光発電でも同じ話を聞いた気がするが…。


まだまだ課題が残る状態でEVを無理に推し進めるのは、逆に環境汚染につながるということだ。

脱炭素社会(カーボンニュートラル)なんて言われて、なんとなく受け止めている人も多いのではないだろうか。


世界中で流行りのようにある日突然決められて降ってくる新しい取り組みたち。

政府に従っておけば、世の中の流れに身を任せれば正しいのだろうか?


多角的な視点で本当に環境に良い取り組みとは何なのか、
それを私たち一人一人が考えて選択しなければならないだろう。

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