噓つきは泥棒のはじまり

政治

日本人であれば子どもの頃にこの言葉は聞いたことがあるのではないだろうか。
嘘を平気でつく人は盗みをすることも悪いこととは思わない。転じて嘘をつくのはよくないという意味である。

ちょっとくらいの嘘、そのくらいは許してあげてもなどど思いがちだが、本当に嘘をつく人というのはどこまでも嘘をつく。
もはや嘘をついているという感覚や罪悪感はないように感じる人がいるのは事実だ。
その人にとっては嘘ではなく、ただのニュアンスの違いくらいに思っている。伝え方が違うだけで嘘はついていないと思っているのだ。

そういう人は必ず、言い方を曖昧にする。
わざと主語を言わない・ぼかして言う、事実が分かる当事者でありながら「だと思います。」のように断定的な言い方を意図的に避けたり語尾を濁す。

普段の生活ではそういう人はとにかく全力で避けることをおすすめするが、
問題は勝手に自分の知らないところで起こっていて実害を被る彼らの嘘である。



筆者はエイプリルフールだといってSNSなどに投稿されるネタはもうやめるべきだと考えている。

デジタルタトゥーという言葉も衆知の通り、一度ネットに上がってしまった情報を完全に消すのは困難だ。
大して内容を理解せず、理解していたとしてもそれがどういった問題を引き起こすかも深く考えず、拡散してしまう人がいるのも事実。
テレビなどでもよく言われているが、一部を切り取って拡散されることによって攻撃を受けるのも事実。

ネタのつもりでも「悪質なデマ」となって想像を超えて拡散され、実害がでてしまうのである。


例えば、紅麴サプリメントで問題になっている小林製薬などは、
エイプリルフールのネタとして”ワクチンのスケープゴートにされたとの発言があった”というデマが拡散された。

X(旧Twitter)に投稿されたそのネタは、ポストの冒頭に「※注意 最後までちゃんと読んでね!」と書かれており、最後にハッシュタグで「#毎年エイプリルフールに騙される」と記載されている。

このポストは悪質なデマとなって小林製薬がニュースになるたびに再三浮上し、膨大な拡散量となった。
あわせて2100万回以上閲覧されているというニュースにもなっている。

筆者の知り合いでも会社員でそれなりの地位にいる人間が、残念ながらこの情報を真実と思ってしまっていた人がいた。
これを信じてしまった人や火のないところに煙はたたないなどと言って疑ってしまう人がいたとして、実際に取引などに影響がでてしまった場合、その責任はいったい誰まで追求することができるというのか。
最初に書いたが、デジタルタトゥーは消せないのである。


これらのネタを投稿するのであれば、冒頭に必ずエイプリルフールで真実ではないということを記載しなければならないのではないだろうか。

例えば広告であれば、ディスクレーマーと言って誰もが見える場所に免責事項などの情報を入れなければならない。
「抽選で100名様にプレゼント」であれば「※応募条件あり。」などと注釈をつけて、誰しもが抽選に参加できるわけではないことを初見で見える場所に示すなどである。

この小林製薬をネタにしたポストの場合、最初に「※注意 最後までちゃんと読んでね!」と書いてあるがこれでは不十分である。
ポストの続きを開いて内容を最後まで読むことでやっと”エイプリルフール”という言葉が出てくるため、初見で見えるポストの部分だけでは注意しなければならない内容が何なのかがわからない。
途中でポストを読むのをやめてしまう人に対しても同様だ。
「※注意 エイプリルフールのネタです。」などとしていればまだよかったのではないだろうか。

それでも切り取りのリスクがあることは事実で、このような悪質なデマをかくのはやめた方が良いと筆者は考える。

あえて冒頭に「※注意」と書いているあたり、このデマが真実として拡がるのは問題であると認識していたことは明らかだ。
その後の「最後までちゃんと読んでね!」の部分から読み取れるのは、最初にエイプリルフールのネタで嘘であるということが分かってしまうと閲覧数が伸びないから隠したかったことも明らかだろう。
悪質なデマになり得るとわかっていて自身の承認欲求が勝ってしまった例なのではないだろうか。


もちろん読む側も情報が真実なのか見極める力、調べる力、自身で考える力が求められる。

例えば週刊誌の電車の中吊り広告だけを見て「へー、あの芸能人って何かあったんだ。」と思う人も多いのではないだろうか。
新聞・テレビなどのマスコミの偏向報道に飽き飽きしている人も多いが、ネットの情報もまたどれを信じるのか、見極めるのはかなり難しい。


その他にも攻撃的で悪質なデマ拡散はまだある。
『🇯🇵女性を妊娠させる黒人に1000万円支給』最悪なガセが拡散される。
頼むぜエディタ@TanomuzeEdita

上記動画はシリーズものになっているが、要約するとアメリカの登録者数126万人を誇るYoutuberが”少子化が進む日本で黒人男性が女性を妊娠させれば1000万円が日本政府から支給される”というデマを拡散してしまったというもの。

恐らく彼女がこのデマを拡散させたのは、2018年のエイプリルフールのネタで書かれた少子化が進む日本は繁殖ビザを発行することになったというデマの記事と、2024年5月に韓国で1人当たり日本円にして1100万円を支給する案についてのアンケートが発表されたことなどが発端と考えられる。

彼女は無責任にも、日本で女性が迂闊に外を歩けないようにするとんでもない悪質なデマを世界中に拡散してしまったのである。



さらにはデマといえば現在大問題になっているのは、NHKのラジオ国際放送での外国人スタッフによる不適切発言だ。
不適切という言葉で済ませられるレベルではもはやない。

日本固有の領土である沖縄県の尖閣諸島について、そのスタッフは「中国の領土」と主張。「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。」などと20秒にわたって誤った情報発信を行った。

NHK、中国籍外部スタッフの尖閣発言問題で5分間の謝罪放送 「極めて深刻な事態」:産経新聞

NHKは26日に5分間の謝罪番組をテレビ放送したようだが、
筆者が気になっているのは、同ラジオ番組内では即座に発言を訂正したのだろうか?
リスナーは日本国内ではなく国際放送であり、その時に聞いているリスナーに向かって間違いであったことを伝えなければ意味がない。

ラジオ放送に携わるスタッフは全員これが誤った情報であるということが即座にわからないとは思えない。
どんなニュース番組でも、「先ほどの情報に誤りがございました。」などとして訂正を入れるが、このラジオ放送では即座に訂正をいれたのだろうか?
出来ていないとすれば明らかにNHKはおかしい。

これは電波乗っ取りの悪質なデマ拡散だ。
対して政府はいつもの”遺憾bot”で終了。



冒頭にも書いた通り、問題は勝手に自分の知らないところで起こっていて実害を被る彼らの嘘である。
これらは知らないところで勝手に拡散されているため、嘘を訂正することすらもできない。

これらの嘘には徹底的にNOを発信しなければ、いずれ真実とされてしまう。

嘘つきは泥棒のはじまり。
いずれはその嘘で国がなくなってしまうこともあるという危機感を持っておかなければならない。

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